25ドルの宿、大会前夜

そのままバスは釣れなくて、アンディが俺に 「今日はどこに泊まるんだ?」と。
「わからない。車もないし。すまないけど、今日アンディのとこに泊めてもらえる?」
と訊いたら、アンディとワイフや、友だちとかその彼女とか、赤ちゃんとか、7人で泊まっているから無理らしい。

アンディは、今日から雨が降るし、外で寝るのは無理だと言う。
そしたら誰かに電話をしてくれて、考えてくれたのが、
「友だちが部屋をシェアしてくれる。そのかわり1日25ドルだ」だって。

エ~!と思い、お金をセーブしてるというと、それ以上いいアイデアはない、と答えを求めてくる。
う~ん、という顔をしよったら、「あとで決めたら教えてくれ」と言われる。

しばらく考えて、けっきょく、1日25ドルでシェアしてもらうことにした。

***

そして連れてきてもらったのがここ。
黒人のジェームスがリーダーで、ほかに3人くらい黒人と、白人がひとり。
みんなルイジアナ州から来たんだって。
17時15分、みんなでレジストレーションに行くということに。俺も一緒に行く。

レジストレーション会場には、日本人がいた。
1週間前に日本から来て、今年で3年目で、かなり慣れた感じで話しかけてきた。

日本人はFLW Tourに出るみたいで、今回のは「ついで」に出るんだってさ。
しかもプロの車に乗っけてもらうって。

それから、俺のこのスケジュールでは、「レンタカーでもないと、無理でしょう」と言われる。
レンタカーは1ヶ月で15万とかかかるけど、それくらいしないと最初は無理だって。

さらに「デルリオは特にあぶない」とか、「ノンボーターで乗せてもらったら、1回30ドルくらいは出さないと」とか、そんなことばかり聞かされる。

正直、不安しか残らなかったし、こわくなった。
だけど、そんなん、俺じゃない。心配しだしたら、自分が出なくなる。
だから、考えないようにした。

そのあと、初日のパートナーと明日の朝の待ち合わせ場所を決めた。
すごくええ人やったし、俺もいつもどおり笑顔でてきとうな英語でしゃべった。
なんとかなるもんや。

レジストレーション会場から、みんなで釣りの話をしながら帰った。

***

ハニーとの電話も通じた。
何だか、どうにもできなくて、ちょっと泣いたけど、やるしかねえと思った。

明日のパートナーは、みんなが言うには釣りクレイジーだから「大丈夫!」とのこと。
お前はラッキーだ!って。
みんなが言う。ラッキー。
絶対負けないぞ。

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